【 4月 新年度 】(いいじまルーテル保育園)
= いいじまルーテル保育園の4月 =
うつくしく花開いた桜のように、神さまの祝福のもと、いいいじまルーテル保育園の新年度がスタートしました。
今年の新入園児は12名。全部で52名の子どもたちを預かります。
4月1日は、私たち職員も大変緊張します。新年度のための準備を懸命に進めてきたとは言え、心配し始めるとキリがありません。あれやこれやと気になることばかりです。最初の日が穏やかに過ぎた時は、心からほっとしました。
翌日、園内に響き渡ったのが、子どもたちの泣き声です。特に0~1歳児クラスの子どもたちにとっては、初めての保育園です。大好きなママやパパと離れるなんて、なんという大きな試練でしょうか。悲しくてたまらない気持ちを泣いて表現せずにはいられません。では進級した子どもたちは、どうでしょう。保育園に慣れているから悲しくないのでしょうか?
そんなことはありません。赤ちゃんから大人まで、人間は、周りの人々からの影響を大きく受けて生きています。たとえ2歳になっていても、赤ちゃんたちの泣き声につられるかのように大泣きしてしまう。それが、4月というものです。もちろん、ずっとは続きません。
ですから、おうちの皆さんには、悲しみの涙を流すお子さんを預けることに、後ろめたい思いを抱かないで欲しいのです。保育園では、自分より大きい子、小さい子と一緒に生活します。つまり、お互いに影響を与え合って生きるということであって、それは小脳の発達のために、非常に良いことなのです。
私が言っているのではありません。人工知能研究者の黒川伊保子氏著「子育てのトリセツ」に書かれています。これによれば、2歳の子が登園の際に泣くのは、別れの瞬間だけを悲しんでいるのです。決して、「夕方のお迎えまで離れ離れだ~」と思って泣くのではありません。朝、登園したら、お迎えまでは保育園で過ごすことになるのだという因果関係の理解。これは、8歳までかけて、だんだんと成長してゆくものだそうです。
あんなに大泣きした子どもたちが、すぐに遊びに夢中になったり、朝のおやつを楽しんだりしている。その姿は、不思議でもなんでもなく、順調に成長過程を通っているということなのですね。どうか、子どもたちが、元気にたくさん遊んで、保育園生活を楽しんでくれますように。
そのために、職員一同励んでまいります。皆さまのお祈りのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
救い主のイエスさまをお与えくださるほどに、私たちを愛された神さまが、皆さんを豊かに祝福してくださいますように。(いいじまルーテル保育園 園長 山口)
「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」(コリント信徒への手紙一 10章13節)